2人のあなたに愛されて～歪んだ溺愛と密かな溺愛～

『社長いなくて、樹さんにすぐ話して、一緒に来てもらったんだよ』


『…樹さん、すみません、本当にありがとうございました』


『…いや、柚葉に怪我がなくて、良かった』


『はい…大丈夫です』


『本当に…警察に言わなくていいのか？』


『すみません…言いたくないです』


『わかった』


2人は、それ以上、詳しいことを聞かなかった。


大人だから、全部、察してるんだと思う。


本当に…私は、この2人に助けられてる。


感謝しかない。


でも、本当に…


専務のいるこの会社から、すぐに逃げたい。


プロジェクトも年末までには終わる。


あと、少し、あと少しの辛抱だから。


全て終われば…


専務はもちろん、柊君ともさよならだ。


そうだよ、あと少しで、柊君ともお別れなんだ。


姿を見ることも、無くなるんだよね。


それで…いいんだ。


あと…少し…だから…