2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~
大切な約束
夜になって、私は、昼間の嫌な出来事をなるべく早く忘れたくて、まだ眠くはなかったけど、寝る準備を始めた。


明日の朝、何もかも綺麗に忘れられてたらいいのに…


山下専務のことも、そして、柊君のことも…


パジャマに着替えて、私は、ベッドに潜り込んだ。


そしたら、目を閉じたのと同時に、スマホが鳴った。


誰だろ?


私は、体を起こして、スマホを見た。


あ…樹さんだ。


すぐにボタンを押した。


『はい…』


『…ごめん、柚葉。こんな時間に』


時計を見たら、まだ、10時だ。


『いえ、全然、大丈夫です』


『…』


『どうかしましたか?樹さん』


『あ、いや、柚葉…大丈夫か?』


そうか…


専務とのこと、心配してくれてるんだ…


『今日は、ありがとうございました。私なら大丈夫です』


『…なら、いいんだ。ずっと気になってて、こんな時間に悪かったな』


樹さん、私のこと気にしてくれてたんだ…
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