2人のあなたに愛されて～歪んだ溺愛と密かな溺愛～

『…』


『私、正直、樹さんの優しい気持ちに甘えてます。本当に…柊君のことはつらかったし、専務のことも…助けてもらって嬉しかったし…でも…』


『でも？』


『…樹さんに、これ以上甘えたら…ダメかなって。樹さんは彼女いないって言ってましたけど…でも、やっぱりガールフレンドはたくさんいるでしょうから…樹さんの時間を、私のために使わせるのが申し訳ないなって』


『何を気にしてる？そんなつまらないこと、全く心配しなくていい』


そう言われても…


『俺に心配されたら、迷惑か？』


『そんな、迷惑とかじゃないですけど…』


『俺は、同情なんかで人の心配はしない。柊のことは大事だ。でも…あいつのためにお前を心配してるわけじゃない。俺が…柚葉を心配したいからしてるだけだ。だから、気にするな』


樹さん…


私のこと、本気で心配してくれてるって言うの？


どうして私なんかを…？


でも、やっぱり…


そんな風に言われても、同情されてるんだって、思ってしまうよ…