2人のあなたに愛されて～歪んだ溺愛と密かな溺愛～

『今、何を考えてた？』


その突然の質問に一瞬、うろたえた。


『…いえ、別に』


『柊のこと…だよな』


私は、黙ってしまった。


その通り…だったから…


『さっきの答え』


え？


『答え…？』


『今日の俺の相手が、お前でいいのかって言う質問の答えだ』


『ああ、はい…』


樹さんがずっと黙るから、私、柊君のこと考えてしまったんだ。


『今日は、柚葉に見せたいものがあったから』


『見せたいもの？』


『行けばわかる。ただ…それを、俺は柚葉と見たかった』


ドキッとした。


『私と…？』


『クリスマス・イブなんか、今まで俺には関係ないイベントだった。1人でいても、寂しいなんて思ったこともなかった』


樹さん…


『でも、今日は、お前と一緒にいたいって…そう思ってる』


嘘みたい…


この言葉の意味は…？


一緒にいたいって…


どういう風に受け取ればいいんだろう…