2人のあなたに愛されて～歪んだ溺愛と密かな溺愛～

『俺はこいつと結婚する。今、一緒に住んでるから』


え？


何？ちょっと…


今、結婚するとか言った！？


樹さんと私が結婚する？


しかも、一緒に住んでるって…？


『そんな、まさか…嘘でしょ？』


『本当…だ。だから、わかってくれ』


樹さん、何言ってるの？


私達、付き合ってもないんだよ。


『柚葉さん、それって、本当？』


沙也加さん、かなり疑いの眼差しで私を見てるよ…


演劇部でもない私の顔、きっと挙動不審なんだと思う。


どうしよう、こういう場合は、話を合わせなきゃダメなのかな？


『あ、あ、あの…は、はい、一応…』


何よ、その答え。


オーディションなら、一発不合格だ。


『柚葉、緊張しなくていい』


するでしょ、普通。


だったら、いろいろ先に伝えておいてよ。


そしたら、心の準備なり、練習なり出来たのに。