2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~
当たり前だけど、そこには樹さんがいる。


長身で、めちゃくちゃオシャレでイケメンの樹さんが…


その状況に、無条件にドキドキする。


すっぴんをさらすことと、ちょっと甘すぎるかなと思いながらも買ったパジャマのお披露目。


どっちも、緊張するよ。


『…あ…疲れ、取れた?』


『あ、うん。すごく気持ち良かった。ミルクのお風呂に入ったみたいだった』


『…良かった…じゃあ、俺も入る。好きなの飲んでいいから』


樹さんは、何か落ち着かない様子で、さっさとバスルームに行こうとした。


『ねえ』


思わず呼び止めてしまった。


樹さんが、私を見る。


『樹…』


『…?』


『…ごめんね、すっぴん、びっくりした?やっぱり…私って、綺麗じゃなくて、可愛くもなくて…』


そこまで言った時に、樹さんは、私を強く引き寄せ、抱きしめた。


嘘…樹さん…


『ごめん、嫌なことしないって約束だったのに。こんな簡単に約束破った』
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