2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~
『どうして…?会ったことあったかな?』


樹さんは、首を横に振って、そして、言った。


『会ったのは、あの時が初めてだ。でも、俺は…そのずっと前に柚葉のことを柊から聞いてた』


『…柊君から…?』


樹さんが、うなづく。


『柊からもらった手紙に、柚葉と柊が2人で写る写真があって、その時に、俺はお前を知った。その後も、柊から柚葉の話をいろいろ聞いて…』


『知らなかった…』


『柊は、柚葉のこと本当に嬉しそうに話してた。優しくて可愛いんだって。でも、俺…お前の話しを聞くうちに、気づいたら…まだ会ってもないお前に、どんどん惹かれていってるのがわかったんだ』


樹さん…嘘みたい…


そんなことってあるの…?


『俺…お前らの写真を半分に切って、柚葉のだけを…コルクボードに貼り付けてた。そんなことされて…気持ち悪いよな』


『気持ち悪いなんて…でも、嘘じゃなくて?樹さんの冗談?私…そんなこと、信じられないよ』
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