2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~
それが…柊君の恋愛感で、今の言葉も柊君にしたら、ものすごく頑張って出した答えなのかも知れないけど…


やっぱり、私…


怖いよ…


また、あんな暗闇の中に落ちるのは…


そこから救い出してくれた樹がいたから、何とか這い上がれたんだ。


今の私には…樹がいる。


『ごめん…柊君。私、今は…』


でも、やっぱり、言えなかった。


樹を好きだって…


『僕は…柚葉を諦められない。勝手だってわかってても、樹が柚葉を好きだって知ってても…寂しくて寂しくて…仕方ないんだ』


『そんなこと言わないで。私はもう…前みたいに、柊君をちゃんと愛せないよ。やり直しなんて、絶対に出来ない…』


その時、柊君のスマホが鳴った。


相手は、樹だったみたいだ。


『もしもし樹?…うん、今は…柚葉といる。話したいことがあったから』


柊君は、樹にそう言った。
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