2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~
~1月3日~
柊君と付き合って1ヶ月が過ぎた。毎日、幸せで。このままこの幸せがずっと続けばいいなって、すごく思う。今日、柊君が、私のこと、とにかく褒めてくれたんだ。柚葉の存在自体が俺の生き甲斐だって…


『柚葉…僕と一緒にいて退屈じゃない?』


お正月の三日目、かなり寒い日だ。


分厚い手袋をはめた私の手。


その手を優しく握って、繋いでくれた。


それだけで、自然に笑みがこぼれる。


何気ない幸せって、こういうことを言うんだろうなって。


白い息を吐きながら、駅から柊君のマンションまで歩道をゆっくり歩いた。


2人でいると、不思議と寒さは気にならなかった。


きっと柊君がすぐ横にいてくれるおかげで、心が温かいからだね。


『退屈な訳ないよ。それなら、私の方こそ…退屈じゃないかって、心配だよ』


身長157cmの私からすると、柊君は20cmも高くて、ちょっと見上げる。


逆に、柊君は歩道の右側から、私を見下ろして、ニコって笑って言った。


『僕は…今が1番幸せだよ』
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