2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~
『本当…に?すごく嬉しいけど、でも…柊君、彼女がこんな地味な私で…本当にいいの?』


恐る恐るの質問。


私は、左側から柊君をまた見上げた。


『…柚葉に出会えて、本当に良かったって思ってるよ。ほら、ドラマとかでよくあるセリフあるでしょ、生まれてきてくれて、僕に出会ってくれてありがとうって。あれ、今の僕にはすごくよくわかるから』


今度は、柊君は、私を見なかった。


その代わり、柊君の手の力が、ギュッって…少し強くなったのを手袋をしてても感じたんだ…


『柚葉を生んでくれたご両親に感謝だね』


『私も…柊君のご両親に感謝だよ』


微笑みながら、2人で見つめ合った。


笑顔が可愛くて、どこまでも優しい柊君。


こんな男性に出会えて、私こそ、出会ってくれてありがとう…って、心から思った。
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