2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~
まだ、佐藤君の影がチラついて怖かったけど、柊君の言葉で心が温かくなれた。


自分の存在意義を感じさせてくれるあなたに、私は心から感謝してるよ。


私にとって、柊君は、本当に最高の王子様だ。


もったいないくらいの…


私は、足早にマンションに向かった。


きっと、大丈夫。


いろいろあっても、上手くいくよ。


柊君のおかげで、そう思えた。


マンションに着いて、ドアに鍵を差し込んで、部屋に入ろうとした。


その瞬間、誰かに背中を押されて、私は部屋の中に倒れ込んだ。


え!?


倒れながら振り向くと、そこには、帰ったはずの佐藤君がいた。


嘘!!


中に入られた…怖いよ、どうしよう、すごく怖い。


佐藤君の鋭い視線に、私は身動きが取れなかった。


柊君…


さっきまでの安心感が消えて、一気に暗闇に突き落とされた気がした。


『どうして…なんでこんなことするの?』
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