2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~
『こんなつまんない写真で、柚葉をおどして、ただじゃ済まないぞ。もし、今後柚葉に近づくことがあれば、こっちにも考えがある。まあ、立ち直れないくらいのこと、平気で出来るから、気をつけた方がいい』


『誰がこんなクソ女。二度と関わるか!お前、おかしいんじゃないか?こんなつまんない女のどこがいいんだ』


佐藤君は、そう担架を切りながらも、腰は引けてるようだった。


『柚葉がつまらない女って?柚葉の魅力がわからないなんて、可哀想な男だな』


その言葉を聞いて、佐藤君は、何も言わずにドアを蹴り飛ばして、慌てて出ていった。


『大丈夫か?柚葉!』


目の前にいる柊君を見たら、もう、すごく安心して、思いきり抱きついて、泣いた。


しばらく、柊君は、そんな私を抱きしめてくれ、優しく髪を撫でてくれた。


少し落ち着いた私は、柊君に聞いた。


『柊君…ありがとう。でも、どうして?どうしてここにいるの?仕事は?』
< 31 / 244 >

この作品をシェア

pagetop