2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~
『柊は柚葉のこと、本気なんだな…でも、俺が柚葉と仲良く出来るかは、まだわからないな』


『お前なぁ…』


僕は、苦笑いした。


『柊は昔からめちゃくちゃ人気あって、すごくモテてたけど、いよいよ結婚するんだな…』


『…めちゃくちゃモテるのは樹だろ。僕は普通だよ』


クールでオシャレな樹の周りには、いつも女の子がいたな…


ただ、本気の恋愛が出来ないって…悩んでたよな。


アメリカでも、特定の彼女は出来なかったらしいし。


『普通じゃないだろ…柊なら選び放題なのに、なんで柚葉なんだ?』


樹が、ソファに座りながら、前のめりになって質問してきた。


『柚葉に初めて会ったのは、あの面接の日だ。顔も可愛いし、笑顔が良くって。面接で言った言葉も彼女らしくて好感が持てたんだ』


あの日、柚葉は、すごく緊張してた。


過呼吸になりそうなくらい…


それでも、一生懸命、会社への思いを語ってくれて…
< 53 / 244 >

この作品をシェア

pagetop