2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~
とにかく、我慢我慢。


私みたいに、嫌がってる女子社員が、他にいないことを願う。


『失礼します』


私は、席に戻って仕事の続きをした。


あまり、深く考えないようにしよう。


本気で誘われた訳じゃないんだし…


次、もし、何かあれば、本当に柊君に話そう。


私は、チラッと社長室を見た。


ガラス張りの部屋の中で、兄弟2人が何か話してる。


ドキッとするくらい絵になる光景。


眩し過ぎる。


数秒見つめてから、私は、呼吸を整えて、デスクの上の資料整理を始めた。


これが済んだら、会議に出る。


プロジェクトの成功のため、出来る限り尽力したいと思ってる。


柊君のため、自分自身の成長のために。


確かに、柊君の仕事ぶりに比べたら、私なんて、会社への貢献度は微々たるものだけど…


でも、入社面接の時に言った言葉に責任持たないと…って、ずっとそう思って頑張ってる。


自分のやりがいのある仕事に携わって、たくさんの人の役に立てるように成長したいって…


偉そうに、そう言ってしまったから。
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