2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~
会ったばかりの人に、あっさり話せることじゃないよ…


しかも、樹さんは…ちょっと怖いし…


『お前、嘘が下手過ぎる。朝は目が腫れてたし。今日は柊と一言も話してないだろ』


鋭い…


『…』


『…ケンカでもしたのか?』


『放っておいてもらえますか?樹さんには関係ないんで』


『関係なくない。今日1日、柊の覇気が感じられなかった。無理して頑張ってる感じだ。柊があんなだと、仕事に影響が出る』


仕事に支障が出るくらい、柊君は落ち込んでるって言うの?


私は…やっぱり、柊君の気持ちを…聞きたかった。


今の柊君の素直な気持ちを…


『樹さん、ごめんなさい。確かに…ケンカ…みたいな感じになってます。柊君とは今夜ちゃんと話そうと思ってます』


『結構、大変そうだな…』


私の顔をじっと見ながら言った。


そんな、ジロジロ見ないで。


今日の顔は、きっと、今まで生きて来た中で1番最低だろうから。
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