2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~
心臓が小さく音を立てる。


落ち着け…大丈夫。


樹さんも立ち会ってくれるんだから。


まだ、自分の気持ちは全然整理がつかないし、話し合いの中でどんな感情が溢れ出すのか…


私達は、付き合って間もないカップルではない。


結婚式を目前に控えた…


そう、もうすぐ夫婦になるはずだった2人なんだ。


ちゃんと考えて答えださないとダメだよね。


だけど、無理なんだ…


今は、感情に任せるしか…


考えても考えても、答えなんて…


出せるわけないよ。


大好きだった柊君との別れが…


どれだけ辛いか…


想像しただけで…


こんなにも胸が痛いんだから…


とりあえず、私も、フロアに戻った。


柊君は、社長室にいる。


私が樹さんと話したことは、知らないみたいだな…


ガラスの向こうには、いつもの柊君がいる。


パソコンに向かってる姿…


やっぱり…かっこよすぎて…


本当に…どうしてこんなことになったんだろう。


どうしようもないくらい、大好きだったのに…
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