2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~
『私は、柊君ただ1人だったよ。この2年間、ずっと柊君だけを見て、よそ見とかしなかったよ』


私は、必死に言った。


『…柚葉も…他の人と遊んだらいいよ。遊びなら僕は構わないよ。だってそうしたら、もっと…僕のことが良く思えるだろ?今、抱かれてるこの人より、柊君の方がいい…って。そうやって、僕はもっともっと柚葉に愛してもらいたいよ』


真面目な顔で、柊君はそう言った。


これは、嘘のない、柊君の本当の感情なんだろう…


もう、何を言っても無駄なように思えた。


『柊…もう、止めろよ。柚葉に、お前のそう言う気持ちを押し付けても無理だ』


樹さんは立ち上がって、そう言った。


『樹…僕らは双子なんだから、お前にはわかるよね?僕は柚葉を愛してる。他の女性も好きだけど、ただ好きなだけで、決して愛してはいないんだ。ただの遊び。遊びの女を抱いて、その時に僕は…柚葉の方がいいって…そう思ってるんだよ。ますます、柚葉を好きになっていってるんだ』
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