キミの隣で…
先生が前のドアから入って来たと同時に、後ろのドアから入って来た奴…
「お~い、早く座れよ。え~…北村!」
北村って奴は、思った通りさっきの関西弁の男で。
「ん?お前、その顔どうした?」
先生は、そいつの腫れた頬に気付いたらしく、自分の頬をトントンと叩きながらそいつに言った。
「いや、なんも…。それより先生。俺の席どこですか?」
先生の質問を流して、そいつは下を向いた。
女に殴られたなんて言えないよな。そりゃ…。
ぷぷぷ~…
1人ニヤニヤした顔をしていたからか、先生は次はそいつからあたしに目線を変えた。