キミの隣で…
肩を思いっきり掴まれ、無理やり圭一郎の方に向かされた。
「お前俺に言うたよな?
言わな伝わらんことがあるって。お前は自分自身の気持ち言うたんか?
何もやってへんくせにメソメソすんなや」
言わな伝わらんこと……。
そうだ。
あたし、何も言ってない。
総悟に何も伝えてないじゃない。
「……まさか。圭一郎にそんなこと言われるとはね」
肩にパンチをいれると、圭一郎は恥ずかしそうに、でもどことなく嬉しそうな顔をしていた。
そうだ。言わなきゃ。
今、あたし達に一番必要な言葉。