エリート俺様同期の甘すぎる暴き方~オレ、欲しいものは絶対手に入れる主義だから~
「ありがとう」
素直な感謝の言葉に、拓海は日菜子の前髪をくしゃっと撫でた。
「別に日菜子のためだじゃない。俺のためでもある。やっぱ、彼女の前でお兄さんにやられるのはかっこ悪いだろ」
「ふふふ……でも、負けるってわかってても拓海は闘ってくれるんでしょ?」
「あたりまえだろ。まぁ……できるだけ避けたいけど」
肩をすくめた拓海を見て、日菜子はクスクスと笑った。
口ではあんなことを言っているが、きっと拓海はなにがあっても日菜子のために闘ってくれるに違いない。
そう確信めいたものを感じて、自分がこれほどまでに彼のことを信頼していることに気づいた。
〝好き〟という言葉だけでは、表せない気持ちが芽生えていた。