エリート俺様同期の甘すぎる暴き方~オレ、欲しいものは絶対手に入れる主義だから~
その日の午前十一時頃。
拓海が慌てた様子で日菜子の元にやってきた。
もうその様子から嫌な予感しかしない。
「松風、図書館の案件だけど、ちょっと修正頼む。午後から必要だから至急な」
「え? 午後って、あと一時間もないじゃない」
「時間がないから、お前に頼んでるんだ。遅くても二時前には持ち出したい。できるか?」
データを開いて修正箇所の確認をする。時間はないがなんとかできそうだ。
「わかりました。やってみます」
「助かる。ありがとう」
まだ出来たわけではない。間に合うかどうか微妙なところだが、拓海は日菜子がしっかりと仕上げると信頼してくれている。