エリート俺様同期の甘すぎる暴き方~オレ、欲しいものは絶対手に入れる主義だから~
月曜日の朝。始業開始時刻よりも四十分近く早く出社した日菜子は、給湯室の用意をしていた。金曜日の夜に乾燥機にかけていた茶器やマグカップを棚に戻していく。
少なくなった茶葉を補充したり、冷蔵庫の中を拭いたり一通りきれいにすると自分のマグカップにスティックタイプのカフェオレの粉末にお湯を注ぎ、デスクに向かおうとした。
「松風さん、ちょっといいかしら?」
背後から声をかけられ振り向くと、脇坂が腕を組んで立っていた。そのその様子から機嫌が悪いのは見て取れた。
「はい。あの……どうかしましたか?」
なにか仕事を頼まれていなかったと思い出すが、なにも思いつかない。そんな日菜子の様子を見て脇坂はますます怒りをつのらせた。