エリート俺様同期の甘すぎる暴き方~オレ、欲しいものは絶対手に入れる主義だから~
けれどそれを伝えたところで、聞き入れてもらえないだろう。日菜子はだまって処理を始めた。
元々は自分が補佐していた仕事なので、悩むようなこともなく進めてく。
そこに出先から帰ったばかりの拓海が、やってきた。
「松風あとでやってもらい仕事がある、来週火曜までに頼む。わからないところがあったら、その都度聞いて」
「あ、うん。了解です」
ちらっと顔を見て返事をすると、拓海が手元を覗き込んできた。
「おいコレ、誰の担当の案件だ」
「西野さんのです。以前わたしが補佐していたので――」
「押しつけられたのか?」
不満げに眉根を寄せる拓海をいさめる。
「こ、声が大きいよ。南沢くんの仕事には支障がないようにするから」
「そういう問題じゃないだろ。なんで引き受けたんだ」
「作業が行き詰まると、西野さんが困るかなって思って……」
確かに脇坂に押しつけられたのだが、断ると仕事が滞ると思ったのも引き受けた要因のひとつだ。
しかし西野の名前を出したとたん、拓海はムッとして日菜子を見下ろした。
「わかった。そんなに余裕なら、これも、これも。全部頼む」
ドサドサッと拓海が日菜子のデスクに資料を置く。
「えぇー! ちょっと、いくらなんでもこんなに」
「できるだろ。俺だって困ってる」
よほど根に持っているのか、日菜子の言葉を逆手にとる。
「……わかりました」
思わず不満げな顔をしたけれど、拓海は気にする様子もなく「よろしく~」と手を振りながら自分の席に戻った。
「もう……横暴すぎるよ」
思わず漏らした言葉に、隣に座った花がクスクスと笑った。
元々は自分が補佐していた仕事なので、悩むようなこともなく進めてく。
そこに出先から帰ったばかりの拓海が、やってきた。
「松風あとでやってもらい仕事がある、来週火曜までに頼む。わからないところがあったら、その都度聞いて」
「あ、うん。了解です」
ちらっと顔を見て返事をすると、拓海が手元を覗き込んできた。
「おいコレ、誰の担当の案件だ」
「西野さんのです。以前わたしが補佐していたので――」
「押しつけられたのか?」
不満げに眉根を寄せる拓海をいさめる。
「こ、声が大きいよ。南沢くんの仕事には支障がないようにするから」
「そういう問題じゃないだろ。なんで引き受けたんだ」
「作業が行き詰まると、西野さんが困るかなって思って……」
確かに脇坂に押しつけられたのだが、断ると仕事が滞ると思ったのも引き受けた要因のひとつだ。
しかし西野の名前を出したとたん、拓海はムッとして日菜子を見下ろした。
「わかった。そんなに余裕なら、これも、これも。全部頼む」
ドサドサッと拓海が日菜子のデスクに資料を置く。
「えぇー! ちょっと、いくらなんでもこんなに」
「できるだろ。俺だって困ってる」
よほど根に持っているのか、日菜子の言葉を逆手にとる。
「……わかりました」
思わず不満げな顔をしたけれど、拓海は気にする様子もなく「よろしく~」と手を振りながら自分の席に戻った。
「もう……横暴すぎるよ」
思わず漏らした言葉に、隣に座った花がクスクスと笑った。