エリート俺様同期の甘すぎる暴き方~オレ、欲しいものは絶対手に入れる主義だから~
〝あんな女〟という言葉が胸に刺さる。ここ最近は自分でも周囲に合わせて頑張ってきたつもりだった。けれど、そうそうすぐに評価が変わるわけではないのだ。

 しかしやはり他人からの厳しい評価は、頑張っている今だからこそ余計に堪えた。

 日菜子はそれ以上その場にいることができずに、急ぎ足で自分の席に戻ろうとした。うつむいたまま歩いていたせいで、正面から歩いてくる人にぶつかってしまう。

「ごめんなさい……あっ」

 顔をあげてはじめて相手が、拓海だと気づく。

「辛気臭い顔して、どうしたんだ?」

 今の日菜子の表情を表す、何気ない言葉だったに違いない。けれどその〝辛気臭い〟という言葉に日菜子はますますつらそうな表情を浮かべた。


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