エリート俺様同期の甘すぎる暴き方~オレ、欲しいものは絶対手に入れる主義だから~
「だって、お寿司に行くんだよね? だったらお金降ろさないと」
廻らない寿司だと言っていた。だからコンビニのATMでお金を下ろそうとしていた。
「寿司はまた今度、いいからついてこい」
さっさと歩き出した拓海に置いていかれそうになって、日菜子はあわてて拓海の後を追いかけた。
電車に乗ってやってきたのは、遊園地だ。週末は家族連れやカップルで賑わっているが、平日の夜となるとそう混雑もしていない。
「なんで……遊園地?」
チケットブースに向かう拓海に問いかける。
「ストレス発散には、大声出すのが一番だからな」
そう言うとさっさとふたり分のチケットを買って、入場ゲートに向かった。
園内に入ると、そこは非日常の世界が広がっていた。目を引く大きな観覧車やジェットコースターなど、色とりどりのアトラクションがふたりを迎えた。
「さあ、閉園時間まであまり時間がない。全部乗るぞ」
「え? ちょ、ちょっと」
ぐいっと手を引かれ、そのまま駆け出した。あわててついていく日菜子の顔には笑顔が浮かんでいた。
「きゃーーーー!!」
頬に痛いくらいの風を受けて、ぎゅっと目をつむる。猛スピードで進むコースターに乗った日菜子は、安全バーを握りしめ悲鳴をあげていた。ぐるっと一回転する。真っ逆さまになった日菜子は、声も出ない。
けれど隣にいる拓海は、ゲラゲラと声をあげて笑っていた。
「ほら、もうすぐ写真だぞ。いい顔しろよ」
「む、無理――!」
――カシャ
「あははーひ~ この松風の顔。最高だな」
出来上がった写真を見て、拓海はビール片手に爆笑していた。
「もう、ひどいよ。そんなに笑わなくてもいいじゃない」
唇を尖らせる日菜子を見て、また写真を見た拓海はまた吹き出した。あまりにも彼が笑い続けるので、日菜子も思わずつられて笑ってしまいふたりして声をあげて笑った。
「あーこんなに笑ったの久しぶりかも」
ひとしきり笑い終わった後、清々しい気持ちになった。
「ほら、まだ乗ってないやつあるだろ。今日は全部乗るまで帰らないからな」
「本気で言ってるの?」
「ああ、もちろん」
小さな男の子のように屈託なく笑う拓海の姿に、日菜子も笑顔になる。そうして差し出された手に日菜子は自然とその手に自らの手に重ねた。
廻らない寿司だと言っていた。だからコンビニのATMでお金を下ろそうとしていた。
「寿司はまた今度、いいからついてこい」
さっさと歩き出した拓海に置いていかれそうになって、日菜子はあわてて拓海の後を追いかけた。
電車に乗ってやってきたのは、遊園地だ。週末は家族連れやカップルで賑わっているが、平日の夜となるとそう混雑もしていない。
「なんで……遊園地?」
チケットブースに向かう拓海に問いかける。
「ストレス発散には、大声出すのが一番だからな」
そう言うとさっさとふたり分のチケットを買って、入場ゲートに向かった。
園内に入ると、そこは非日常の世界が広がっていた。目を引く大きな観覧車やジェットコースターなど、色とりどりのアトラクションがふたりを迎えた。
「さあ、閉園時間まであまり時間がない。全部乗るぞ」
「え? ちょ、ちょっと」
ぐいっと手を引かれ、そのまま駆け出した。あわててついていく日菜子の顔には笑顔が浮かんでいた。
「きゃーーーー!!」
頬に痛いくらいの風を受けて、ぎゅっと目をつむる。猛スピードで進むコースターに乗った日菜子は、安全バーを握りしめ悲鳴をあげていた。ぐるっと一回転する。真っ逆さまになった日菜子は、声も出ない。
けれど隣にいる拓海は、ゲラゲラと声をあげて笑っていた。
「ほら、もうすぐ写真だぞ。いい顔しろよ」
「む、無理――!」
――カシャ
「あははーひ~ この松風の顔。最高だな」
出来上がった写真を見て、拓海はビール片手に爆笑していた。
「もう、ひどいよ。そんなに笑わなくてもいいじゃない」
唇を尖らせる日菜子を見て、また写真を見た拓海はまた吹き出した。あまりにも彼が笑い続けるので、日菜子も思わずつられて笑ってしまいふたりして声をあげて笑った。
「あーこんなに笑ったの久しぶりかも」
ひとしきり笑い終わった後、清々しい気持ちになった。
「ほら、まだ乗ってないやつあるだろ。今日は全部乗るまで帰らないからな」
「本気で言ってるの?」
「ああ、もちろん」
小さな男の子のように屈託なく笑う拓海の姿に、日菜子も笑顔になる。そうして差し出された手に日菜子は自然とその手に自らの手に重ねた。