エリート俺様同期の甘すぎる暴き方~オレ、欲しいものは絶対手に入れる主義だから~
「お前はもっと自由になっていいんだ。俺はそんなお前を傍で見たいと思う」
(それって……これからもこうやって傍にいてくれるって……こと?)
聞きたいけれど、うぬぼれのような気もして聞けない。
「だから何かあったときは、ひとりで抱え込まない。俺が力になりたいんだ。そのくらいいいだろう?」
(なんで……どうして)
疑問の言葉ばかり浮かんでくる。どうして自分に対してここまでしてくれるのかと。それと同時にドクドクとうるさいくらいに鼓動がはねる。
拓海の大きな手が伸びてきた。日菜子の頬にかかっていた髪をその手がゆっくりとなでつける。それは頭を撫でられているように心地良く、日菜子の胸をときめかせた。
ゆっくりと拓海との距離が縮まる。
三十センチ、二十センチ……十五センチ、十センチ……。
我慢出来なくなった日菜子が、ぎゅっと目をつむりそうになったとき観覧車内のスピーカーから間もなく地上だというアナウンスが流れた。
「けっこう、早かったな」
さっきまでのはりつめた雰囲気は解かれた。拓海の顔はいつもの彼に戻っている。
けれど日菜子は彼の言葉に何も返してないことに気がついた。
係員の姿が視界に入る。もう時間はない。
「南沢くん、ありがとう。うれしかった。だから、わたし変わりたい。変わろうと思う」
自分でもなにを言っているのか、急にこんな宣言されても相手が困るだけだ。言ってしまってから反省するけれど、もう遅い。
しかし拓海は優しくほほ笑む。
「がんばれよ」
バカになど一際せずに、彼は笑って日菜子を見つめた。そして手を伸ばして日菜子の髪をひとなでした瞬間、観覧車の扉が開いた。
先に降りた拓海が、日菜子に手を伸ばす。
一瞬その手をとるかどうか悩んだけれど、日菜子は手を差し出した。
(それって……これからもこうやって傍にいてくれるって……こと?)
聞きたいけれど、うぬぼれのような気もして聞けない。
「だから何かあったときは、ひとりで抱え込まない。俺が力になりたいんだ。そのくらいいいだろう?」
(なんで……どうして)
疑問の言葉ばかり浮かんでくる。どうして自分に対してここまでしてくれるのかと。それと同時にドクドクとうるさいくらいに鼓動がはねる。
拓海の大きな手が伸びてきた。日菜子の頬にかかっていた髪をその手がゆっくりとなでつける。それは頭を撫でられているように心地良く、日菜子の胸をときめかせた。
ゆっくりと拓海との距離が縮まる。
三十センチ、二十センチ……十五センチ、十センチ……。
我慢出来なくなった日菜子が、ぎゅっと目をつむりそうになったとき観覧車内のスピーカーから間もなく地上だというアナウンスが流れた。
「けっこう、早かったな」
さっきまでのはりつめた雰囲気は解かれた。拓海の顔はいつもの彼に戻っている。
けれど日菜子は彼の言葉に何も返してないことに気がついた。
係員の姿が視界に入る。もう時間はない。
「南沢くん、ありがとう。うれしかった。だから、わたし変わりたい。変わろうと思う」
自分でもなにを言っているのか、急にこんな宣言されても相手が困るだけだ。言ってしまってから反省するけれど、もう遅い。
しかし拓海は優しくほほ笑む。
「がんばれよ」
バカになど一際せずに、彼は笑って日菜子を見つめた。そして手を伸ばして日菜子の髪をひとなでした瞬間、観覧車の扉が開いた。
先に降りた拓海が、日菜子に手を伸ばす。
一瞬その手をとるかどうか悩んだけれど、日菜子は手を差し出した。