エリート俺様同期の甘すぎる暴き方~オレ、欲しいものは絶対手に入れる主義だから~
「悪かった。どうしても俺のものにしたかったんだ」
観念したかのような告白に、日菜子は顔を赤くする。
それから拓海は意を決したように日菜子の両手を掴み彼女を見つめた。
「松風。俺、お前のことが好きだ」
拓海の真剣な声が耳に届く。それは日菜子の心を大きく揺さぶる。
うれしくて喜びが溢れる。胸が痛くなるほどの喜びに、うまく言葉が出てこない。
「なあ、俺がこんなに真剣に告白してるのに、答えてくれないのか?」
拓海の目が、日菜子の心を読もうと瞳を覗き込んだ。
日菜子は恥ずかしくて目を伏せる。とてもじゃないが、拓海の顔を見て答える勇気などなかった。
「わたしも……南沢くんが好き……です」
かぁっと頬が熱くなる。まるで子供のような告白だ。けれどそれが今の日菜子の精一杯であり、素直な気持ちだ。
「なんだ、それ。かわいすぎるだろ」
ぽそっとつぶやいた拓海の声に、日菜子が顔をあげる。
お互いの視線が絡むと、拓海がふっと笑顔をうかべた。
その顔が今まで見た彼のどんな表情よりも素敵で、日菜子は思わず見とれてしまう。
彼の顔が自分に近づいてきた。驚いた日菜子にも、これがどういう行動なのかわかりぎゅっと目を閉じた。
ゆっくりと拓海が近付いてくる気配がする。
肌で彼の熱を感じ、ドキドキと飛びでそうなほど暴れる心臓をなんとか抑えていたとき……。
ガタンと大きな音がした。
ふたりして音がしたほうを見ると、黒猫がビルの裏口に置いてあるゴミ箱を倒して走って行く姿が目に入る。
だまったままふたりでそれを見ていると、拓海が「はぁ」と大きなため息をついた。
日菜子は慌てて彼から距離をとると、まだ騒がしい心臓を抑える。