あやかし神社へようお参りです。②
帰ってくると直ぐに部屋へ連れていかれて横になるよう促された。体は思っていたよりも疲れていたらしく、直ぐに眠りに就く。夕方ごろに三門さんが連れてきた不思議なお医者さんに診てもらい、またぐっすりと眠りに就いた。
翌日は日曜日だった。
朝から三門さんに何度も何度も布団から出ないように言い聞かされて、素直にそれに従って布団の中でじっとしていた。私が退屈しないようにか、家鳴たちが枕元で開門祭で演じられる『結眞津々実伝説』の芝居を披露してくれた。他にも何人かの妖が顔を見せてくれて、三門さんやババは少し怒った口調で彼らを追い出していく。そんなやり取りにクスクスと笑いながらのんびりと過ごしていた。
玄関の方から越天楽の音色が聞こえ始めた。裏の社が開く時間だ。そっと体を起こすと、足音を立てないように襖に歩み寄る。家鳴たちも私を真似て、忍び足で襖によると聞き耳を立てていた。
台所の方で包丁とまな板がぶつかる音がする。ババが三門さんの夜食か何かを作っているのだろう。
よし、と小さく息を吐いて、用意していた服にいそいそと着替える。
そしてコートを羽織ると、その場にしゃがみ込んだ。家鳴たちが首を傾げ、くりくりした大きな目で私を見上げる。