あやかし神社へようお参りです。②
昨日屋敷に入った時、五つあった部屋の内、その二つに入った。
ひとつは応接間のような所、もう一つは客間だった。もうひとつはエプロンを付けたお手伝いさんが手を拭いながらでてきたから、きっとキッチンやダイニングに繋がっているのだろう。
おばあさんは車いすを使っていたから、二階の部屋を使っているとは考えにくい。となると、残されたもう一つの部屋がおばあさんの部屋だ。
そこまで検討を付けて、屋敷の塀沿いを進む。
推測を付けていた部屋の前まで来て、私たちは木陰に隠れながらほっと息を吐いた。
隠れながら様子を窺う。部屋の明かりは消えているようだったが、奥から読書ランプくらいの小さな灯りが漏れている。もしかしたら、まだ起きているのかもしれない。
「かげぬい、窓を叩いてみよう」
そう言って木陰から抜け出した時だった。
「我は雷公の旡、雷母の以威をうけ 五行六甲の兵を成し 百邪を斬断し 万精を駆逐せん 急急如律令ッ────」
雷が落ちる轟音が響いた。激しい光線を成して真っ直ぐにこちらに向かって伸びてくる。