あやかし神社へようお参りです。②
「────おお! くそババアまだ生きてやがったのか!」
裏の社が賑わい始めた頃、社務所へやってきたババに会うなり健一さんはそう言った。ぎょっとしてババの顔を見た。少し驚いた顔をしたババは、直ぐに呆れたように息を吐く。
「相変わらずだね、アンタの減らず口は! 子供の前で汚い言葉を使うんじゃないよ!」
ババの怒った口調の中に、嬉しそうな声が混じっているのに気が付く。
ぞろぞろと後からやってきた妖たちも健一さんとは顔なじみらしく、久しぶりの再会をとても喜んでいた。
「いつまでこっちにいるんだい? 本庁勤めじゃそう長くは留まれないだろうに」
おしゃべりにひと段落が付くと、数人を覗いて妖たちは社頭へと出て行った。残った妖たちのお茶を三門さんと入れながら、なんとなく会話に耳を澄ませる。
「今年で何年目だい? あんたより若い奴はまだ入ってきてないだろう」
ババがけらけらと笑うと、健一さんは苦い顔をうかべた。
「あのクソジジイども。俺が若いのを僻んでやがる。面倒な仕事ばかり回してくるんだよ」