あやかし神社へようお参りです。②



 舌打ちをした健一さんの頭をババが容赦なく叩く。「行儀が悪いよ」と睨まれれば、「いつまで子ども扱いすんだよくそババア!」と噛みついていた。

 茶葉を準備しながら、隣の三門さんに尋ねる。


 「三門さん、“ホンチョウ”って言うのは何ですか?」

 「ん? ああ、日本神社本庁のことだよ。日本全国の“こことおなじような神社”を統括する機関なんだ」

 「こことおなじような神社……?」

 「妖も参拝に来る神社ってこと」


 え! と素っ頓狂な声をあげる。

 だってまさか、結守神社と同じような神社が他にもあるなんて考えたこともなかったから。

 どれぐらいあるんですか、と尋ねれば三門さんは天井を見上げる。


 「僕もちゃんと把握してないから分かんないけど、二百以上はあるんじゃないかな」


 ひえ、と声を漏らすと、三門さんはくすくすと笑った。


 淹れたてのお茶が入った湯飲みを持ってみんなの輪の中に入る。健一さんは笑顔でそれを受け取ると、ぐいっと一気に煽った。


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