あやかし神社へようお参りです。②
「あの、先生大丈夫ですか?」
「はい?」
「顔色が……優れないみたいですけど」
不思議そうに首を傾げていた水童先生は、少し苦笑いで「ああ」と頷く。
「これ、僕の普通なんです。誤魔化しようがなくて」
肩を竦めた先生は頬を掻いた。
「そう、なんですか。具合が悪いわけではないなら、良かったです」
先生は嬉しそうに目を細める。
職員室の前に付いた。先生はドアに手をかけながら口を開く。
「先代の巫女さまも、よく私を気遣って下さいました。やはり、麻どのは先代の血を引いた巫女さまなんですね」
「……え」
「三門さまによろしくお伝えください。……では、中堂さん。授業には遅れないように」
私にしか聞こえないような声でそう言う。目を見開いて固まっていると、水童先生はおかしそうに笑って職員室へ入っていった。