あやかし神社へようお参りです。②



 「あの、先生大丈夫ですか?」

 「はい?」

 「顔色が……優れないみたいですけど」


 不思議そうに首を傾げていた水童先生は、少し苦笑いで「ああ」と頷く。


 「これ、僕の普通なんです。誤魔化しようがなくて」


 肩を竦めた先生は頬を掻いた。


 「そう、なんですか。具合が悪いわけではないなら、良かったです」


 先生は嬉しそうに目を細める。

 職員室の前に付いた。先生はドアに手をかけながら口を開く。


 「先代の巫女さまも、よく私を気遣って下さいました。やはり、麻どのは先代の血を引いた巫女さまなんですね」


 「……え」


 「三門さまによろしくお伝えください。……では、中堂さん。授業には遅れないように」



 私にしか聞こえないような声でそう言う。目を見開いて固まっていると、水童先生はおかしそうに笑って職員室へ入っていった。



< 212 / 334 >

この作品をシェア

pagetop