あやかし神社へようお参りです。②


 帰り際、六花さんは私たちを家の前まで見送ってくれた。またみんなで遊びにおいで、そう言って手を振ってくれた。薬もしっかりと貰って本当に後は帰るだけになった。


 「意外とあっさり終わったね」

 「そうだね、また六花さんの所遊びに行きたいなあ」

 「それ、ぜってえ三門さんが許さないと思うけど」


 四人でそんな話をしながら表の通りにでた。刹那、私の腕の中で丸くなって眠っていたみくりがピクリと耳を動かした。勢いよく起き上がるものだから、落とすまいと慌てて抱え直す。


 「び、びっくりした。暴れないでよみくり。落としちゃう」

 「静かにしろ」


 厳しい視線を周囲に向けたみくりに、私たちにも緊張が走る。


 「我々に敵意を向けているやつがいる。走るぞ」


 するりと私の腕から降りたみくりが勢いよく駆け出した。茫然とする私たちにみくりがくわっと牙を剥いて怒鳴る。


 「走れと言っているだろう! 聞こえなかったか!」


 「は、はい」と情けない声で返事をした私たちはみくりを追いかけるように走り出した。


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