あやかし神社へようお参りです。②

 並んで河川敷を歩いた。


 「ああ、そうだ。来る途中に蛍助くんの家に寄ってきたんだ。元気そうだったよ。一週間もすれば学校に出てこられるって」


 三門さんがふと思い出したように口を開く。


 「ほ、ほんとですかっ」

 「うん。両親にも、少しずつちゃんと話しているらしいよ」

 「良かったー……」


 溜息を吐くようにそう漏らす。そんな私に三門さんは目を細めた。


 「そうだ、昨日のことを聞きたいんだけどいいかな。みくりに聞こうとしたんだけど、久しぶりに変化したから疲れたって眠ちゃったんだ」

 「やっぱりあれってみくりだったんですね!」

 「あれ、みくりの人型見るのは初めてだった? 狐だから七変化まではできるよ。ふくりもね」

 「“狐七化け、狸は八化け”って本当なんですね」


 興奮気味にそう言えば三門さんは苦笑いで頬を掻いた。健一さんがげらげらと笑い出す。

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