あやかし神社へようお参りです。②
「み、三門くんっ、助けて、どうしてらいいか分かんない!」
そればかり繰り返す詩子に、慌てて「代わって」と手を差しだす。スマートフォンを受け取って直ぐに耳に当てた。
「もしもし麻です、かわりました」
『麻ちゃん!? いまうたちゃんの家だよね、何があったの!』
「詩子の部屋に閉じ込められましたっ。御札が破れてしまっていて、たぶんそのせいです!」
『災厄がうたちゃんを狙ってるんだ、とりあえずふたりはそばでかたまっていて。直ぐに行くからっ』
わかりました、と言いかけてハッと思い出す。
「詩子の守りの力のもとは、ひな人形の付喪神なんです!」
『っ、どういうこと?』
三門さんの息が乱れているのが電話ごしに分かった。きっと走っているのだろう。
「ひな人形の付喪神が詩子を守っていたんです。でも徐々に守る力が弱くなってきていて、お内裏さまの刀も折れてしまって、もう守ることができないんです」
『なるほど、そういうことだったんだね』
簡潔に伝えただけなのに三門さんはみなを察したらしい。一呼吸置いて、とても真剣な声で私の名前を呼んだ。