あやかし神社へようお参りです。②
駆け足で最寄り駅へ向かうと、既に詩子の姿があった。他にも同じ制服を着た学生がちらほらいて、彼女は親しげに会話している。
「あ、麻っ! おはよ、こっちこっち!」
私に気が付いた詩子が大きく手を振る。私も振り返して微笑んだ。
「おはよう、待たせてごめんね」
「全然! それじゃあ行こっか!」
うん、と頷いて詩子の隣に並ぶ。
おもてら町駅を使うのは、春休みにここへ来たときぶりだ。今日からは毎日この線に乗って学校へ向かうんだと思うと、なんだか胸がどきどきした。すでに購入してある電車の定期券を駅員さんに見せて改札をくぐる。丁度電車がホームに入ってきたところだったので、私たちはそれに駆け込んだ。
座席に腰掛けて、同じタイミングで深く息を吐いた詩子と笑い合う。電車はゆっくりと発進した。
「麻、リボン上手く結べた?」
「昨日のうちに結んでかけておいたよ」
「その手があったか! 明日からはそうしよう」
どうやら詩子は苦戦したらしい。ふふ、と笑いながら雑談を続ける。