あやかし神社へようお参りです。②
「そういえば友達から聞いたんだけど、今年県外から一北に入学したのって、麻ともう一人いるらしいよ。毎年地元民ばかりだから、噂になってるんだって」
「えっ、そうなの……?」
「今言った内容そのままだから、変な噂じゃないし安心していいよ。それで、もうひとりは男の子なんだって。麻はどんな子か知ってる?」
しらない、と首を振る。ここへきてまだ数週間しか経っていないし、そもそもまだこちらには詩子しか友達がいない。
もしもその噂が本当なら、同じ県外から受験したもの同士だし、仲良くなりたい。
どんな子だろうね、なんて話をしていると電車はやがて一北の制服を着た学生で溢れかえり始める。
詩子は何人かに声をかけられていた。きっと中学校の同級生だろう。声をかけられるたびその都度私を紹介してくれるため、既に何人かの同級生と話すことができた。みんな詩子と同じでとても優しく、フレンドリーな人たちばかりだった。