あやかし神社へようお参りです。②
ふたつ線を乗り換えて電車に揺られること三十分、学校の近くの駅に着いた。同じ制服を着た学生たちがぞろぞろと降りていく。ここから十分くらい坂を上れば、第一北高校だ。
「毎朝この坂のぼるのかあ、つらいねー……」
「でも痩せそうじゃない? 私は毎日走ろうかな!」
そう言った詩子に思わず吹き出す。そんなくだらない話をしていると、あっという間に登り切った。
赤煉瓦の塀に囲まれた校舎は白いコンクリート造りで、各教室にはベランダが付いている。橙色の三角屋根がお洒落な三階建てだ。校門からエントランスまで綺麗に整備されていて、植えられた桜が満開に咲いていた。
私立高校並みに綺麗な校舎だ。三年前に新しく建てられた本校舎。旧校舎は部室などに使われているらしい。他にも体育館や弓道場などもあるらしい。
「先にホームルーム教室だって。いこっか」
「ああ、詩子と同じクラスで良かった……」
なにいってんの、と私の肩を叩いた詩子。入学前のガイダンスですでにクラス分けが発表されて、私たちは同じクラスだった。
下足場で上履きに履き替え教室に向かった。