あやかし神社へようお参りです。②


 入学式は午前中で終わり、ホームルームで明日からの時間割を配られると、直ぐに解散になった。詩子と明日からの約束をして最寄り駅で別れる。

 神社へ向かう途中で、その異変に直ぐに気が付いた。

 日の出ている間は決して見ることのないはずの彼らが、同じ方角を目指して歩いているのだ。妖たちが道を歩いている。それも一匹や二匹ではなく、たくさんの妖が往来を走っていた。

 彼らが走っている道の先には、辿り着く場所はひとつしかない。結守神社だ。

 辺りを見回すと、見知った妖狐の兄弟があった。皆が必死に走っている中、ふたりは手を繋いでその場に佇んでいる。急いでそのふたり近寄る。泣きながら立っているふたりに声をかけた。


 「ふたりとも、こんにちは。 こんな時間にどうしたの?」


 ふたりは私の声に気が付き振り返る。


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