しあわせ食堂の異世界ご飯4
「これはコロッケという料理だそうです。お昼までは、今日の話題は私たちのサンドイッチでもちきりだったんです。しかし、しかし……っ! 夕方になって、突如このコロッケが発売されたんです。ひとり一個の限定販売で、その総数はたったの八十個」
「あ、ああ……」
ルシオが取り出したコロッケとやらを見ると、きつね色のサクサクした何かで包まれていることがわかる。
そして、ひとくちかじって食べた跡もある。
「お前は人に食べかけを見せるのか……」
「いや、本当は全部食べてしまいたかったんですよ! けれど、これはライナス様に見せないといけないと思い、我慢して城まで持ち帰ったのです!!」
私の凄まじい我慢の結晶ですと、ルシオは真顔で告げた。
ライナスは額に手を当てて、ルシオの言葉を整理していく。
「……つまり、私たちのサンドイッチはそのコロッケという謎の料理に負けたということか?」
「そうです」
「…………」
ライナスは深く深く、ため息をついた。
何も自分たちが新しく事業を始めたその日に、そんなものを売りに出さなくてもいいではないか。
「それで、そのコロッケはどこで売られてたんだ?」
「あ、ああ……」
ルシオが取り出したコロッケとやらを見ると、きつね色のサクサクした何かで包まれていることがわかる。
そして、ひとくちかじって食べた跡もある。
「お前は人に食べかけを見せるのか……」
「いや、本当は全部食べてしまいたかったんですよ! けれど、これはライナス様に見せないといけないと思い、我慢して城まで持ち帰ったのです!!」
私の凄まじい我慢の結晶ですと、ルシオは真顔で告げた。
ライナスは額に手を当てて、ルシオの言葉を整理していく。
「……つまり、私たちのサンドイッチはそのコロッケという謎の料理に負けたということか?」
「そうです」
「…………」
ライナスは深く深く、ため息をついた。
何も自分たちが新しく事業を始めたその日に、そんなものを売りに出さなくてもいいではないか。
「それで、そのコロッケはどこで売られてたんだ?」