しあわせ食堂の異世界ご飯4
 カミルとしては、せっかくの新メニューなのにありきたりな料理が加わってしまい残念なのだろう。
「目玉焼きは目玉焼きなんだけど、半熟にするよ」
「半熟?」
「そう。卵の黄身の部分がとろとろで、すごく美味しいんだから!」
 カミルが虜になること間違いなしだと、アリアは笑う。
「それは期待大だな……!」
 いつもはこんがり焼いてしまうカミルなので、アリアの作る目玉焼きも楽しみになってしまった。
 とはいえ、焼きあがるのなんてあっという間だ。
 白身部分が焼けたのを見て、アリアはトッピングとして一番上に目玉焼きを豪快に載せていく。
「よーし、完成!」

 本日のメニュー、『子供が大好きタコさんのナポリタン』の完成だ。


 できあがったナポリタンの鉄板を木皿に載せて、アリアとカミルのふたりで店内へ運ぶ。
 すでにお客さんは試食してくれるふた組の親子だけで、閉店作業に入っていた。
「お待たせしました! 今日のお昼は『ナポリタン』ですよ!」
「あ~! それ、私大好きです!」
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