しあわせ食堂の異世界ご飯4
「それから、こっちはララちゃんとリズちゃんの分。せっかくだから、三人で一緒に食べてね」
「やったぁ、ララの分!」
「ありがとうございます、アリアお姉さま」
 ナタリーの母親が取り分け終わったので、その席にリズとララを座らせる。ついでにふたりの分も取り分けてから、ナタリーの母親はララの母親が座るテーブルへ移動した。
「すみません、娘の分も取り分けていただいて……ありがとうございます。ララの母です」
「いえいえ、それくらいわけないですから。ナタリーの母です、よろしくお願いします」
「こちらこそ」
 挨拶をしている母親ふたりの前にもナポリタンを置き、鉄板が熱いので十分に気をつけるよう伝えた。
「わあぁぁ、何これ、何これー!?」
「お花ですか?」
「えぇ、違うよ! ララは海にいるタコだと思うなぁ!」
 店内に子供たちの賑やかな声が響いて、さっそく仕込んでおいたネタにくいついてくれたと、アリアは笑みを深める。
 ソーセージを半分にして、さらに片側に切り込みを入れて……タコのかたちにしておいたのだ。
 残念ながらリズは花と不正解だが、見事にララが正解を言い当ててくれた。
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