しあわせ食堂の異世界ご飯４

「それはタコさんソーセージでした！」
　子供たちの下へ行って、アリアは正解を告げる。
　すると、子供たちがそれぞれ反応を返してくれた。
「タコのかたちにするなんて、アリアお姉ちゃんすごい！」
「えぇっ!?　タコは食べたことがありますが、生きてるときはこんなかたちなんですか？」
「やったぁ、ララ大正解だぁ」
　なんと驚くことに、リズは調理前のタコを見たことがなかったようだ。市場に行くとたまに売っているけれど、確かに食卓に姿そのままで出てくることはない。
（リズちゃんには、いろんな食材をそのまま見て知ってほしいなぁ）
　そうすれば、料理の知識が深まり、レパートリーの幅も広がっていくだろう。
「ほらほら、食べてみて？」
「うん！」
　食べる前にタコの話題で盛り上がってしまったため、せっかくのナポリタンがまだひと口も減っていなかった。
　アリアの勧めを受けて、まずはナタリーがナポリタンを口にした。
「んっ！」
　ナタリーは思わず体を硬直させて、何度か瞬きを繰り返す。そのままナポリタンを噛んで、真顔のままごくんと飲み干した。
（もしかして、美味しくなかったのかな……？）