しあわせ食堂の異世界ご飯４

　門番が再びしあわせ食堂へやってきた。時間はちょうど閉店ギリギリで、どうにか間に合ったと嬉しそうにしている。
　迎え入れたのは、店内で給仕をしていたシャルルだ。
「いらっしゃいませ～！　あ、門番さん！」
「シャルルさん、こんにちは。いやぁ、間に合ってよかったです。仕事が終わってすぐに着替えて、きたんですよ～」
　今日は夜勤明けのうえに、残業になってしまい、いつもより帰るのが遅くなってしまったのだと門番は少し愚痴をたれる。
　しかし明日は休みなので、それならしあわせ食堂でカレーを食べてから寝ようと計画を立てたようだ。
「夜勤だったんですか？　確かに、なんだか眠そうですね」
「お腹いっぱい食べて、早く布団に潜り込みたいです」
　眠そうな表情でお腹に手を当てる門番に、シャルルは笑う。なら、とびきりの料理を用意しないといけませんね、と。
「空いているカウンターの席へどうぞ」
「ありがとうございます。今日は何を食べようかな……」
　門番は席に着いて、卵焼きとストロガノフ、どちらをカレーと一緒に頼むか悩んでいるようだ。せっかくだから両方？なんていうのも、捨てがたい。