しあわせ食堂の異世界ご飯４
　運動の方が好きだと告げたのは、シャルル。
　長い蜂蜜色の髪を三つ編みに結んでいて、大きな瞳は深緑色。いつも元気いっぱいで、アリアの騎士と侍女の両方を務めてくれている。
　それもあり、小柄な体形だが剣の腕前はかなりのもの。元々は騎士団に勤めていたため、残念ながら侍女の仕事はまだまだ不慣れなことも多い。

　今後を考えているのは、食堂のひとり息子のカミル。
　外ハネのオレンジの髪は、本人の明るい性格によく似合う。食堂の看板息子として毎日精一杯働いている姿は好感が持て、常連客からの信頼も厚い。
　今はアリアに料理を教えてもらっていて、カレーとハンバーグはひとりで作っていいとアリアからお許しが出ている。

　お知らせの看板を見ながらいろいろ話していたが、時間に気づいたカミルがアリアたちに声をかけた。
「……っと、そろそろ戻らないと開店時間になるな」
「あ、そうだったね」
　今はまだ早朝で、しあわせ食堂は今から開店する。
　ここへきたのは、店の前で掃き掃除をしているときに、すごいお知らせがある！と、大勢の人が言っていたからだ。
　なので、実はあまりゆっくりしている時間はない。
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