しあわせ食堂の異世界ご飯4
「アリアさんらしくて、とてもいいと思いますよ」
「ありがとうございます、ローレンツさん」
「……今後は、食がほかの産業の追随を許さないくらい一気に発展していきそうだな」
 くつくつと笑いながら、リントがアリアを見る。それは暗に、王妃になった際に力を入れるであろう事業のことのようだ。
(確かに否定はできないけれどもっ)
「衣食住、すべてが発展していくように頑張ります」
「それは心強い。そのためには、俺が頑張らないといけないな。……まずは、学園の成功だ」
 これで有望な人材を教育すれば、リベルトの味方につく貴族も増えるだろう。あとは、民衆からの支持も見込める。
 とはいえまだまだ、前途多難。
「私も応援していますね」
 小国の王女であるアリアではあまり後ろ盾になれないかもしれないが、前世の知識という他人にはない武器がある。
 この世界に住む誰もが、知らないし、考えすらしていないだろう知識。
 それを有効活用できれば、新しい活路が見いだせるかもしれない。
(ただ、私の頭が追いつくか……っていう問題はあるけれど)
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