しあわせ食堂の異世界ご飯４
　エマが帰ってこなくて一番そわそわしていたのは、シャルルだ。
　もしかして、しあわせ食堂を妬む悪の組織がいて、お客さんを攫って……それに気づいたエマも……なんていう展開だったらどうしようかというところまで考えていた。
「あはは、ごめんよ。ちょっと並ぶのに時間がかかっちゃってね」
「並ぶ？」
　エマは買ってきたサンドイッチをかかげて、あとで食べるため厨房に置いてくるとシャルルに告げる。
「もう少しだけ、店内をお願いするよ」
「はい。今は落ち着いてるので、私ひとりでも大丈夫ですよ」
「ありがとうね」

　厨房にやってきたエマを見て、アリアは「おかえりなさい！」と声をかける。
「お客さんがこなくなった理由、わかったんですか？」
「ただいま。ああ、わかったよ！　うちのお客さんが減った理由は、これさ！」
　そう言って、エマは買ってきたばかりのサンドイッチの包みを見せた。
　アリアはそれを受け取り、首を傾げつつも開けて中身を確認する。
　中から出てきたのは、この世界では珍しいけれど、アリアにとっては見慣れたものだった。
「あ、ハンバーガーじゃないですか！」
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表紙・目次

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