しあわせ食堂の異世界ご飯４
「ジャガイモを茹でる間に、玉ねぎをみじん切りにしちゃおうか」
「ああ、わかった」
　玉ねぎはカミルに任せて、アリアは茹で終わるのを待ってジャガイモを取り出す。これは大きな器へ入れ、塩胡椒で味付けをして、温かいうちに潰す。
　量が多いので、潰す作業だけでかなりの力仕事だ。しかしこれをしておかないと、美味しく作れないのだから仕方ない。
　すると、予想していなかったらしいカミルがぽかんと口を開けた。
「アリア、玉ねぎ切り終わったけど……ジャガイモ潰しちゃうのか？」
　なんだかもったいないなと、カミルが残念そうにジャガイモを見ている。こればかりは、こういった調理法なので仕方がない。
「これが美味しく化けるから、大丈夫だよ。玉ねぎとひき肉を炒めるから、ちょっと潰しててもらってもいい？」
「わかった」
　カミルにジャガイモを託したアリアは、フライパンを火にかけて油を引く。そこに玉ねぎとひき肉を入れて、塩胡椒でしっかり味付けを行う。
　じゅわああぁっと肉の焼ける匂いがただよい、アリアたちの食欲を刺激する。
「もうこの肉の焼ける匂いだけで美味そう……」
「しっかり味付けもしてるからね」
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