しあわせ食堂の異世界ご飯4
(私も魔法を使えたらよかったんだけどなぁ……)
残念ながら、アリアの魔法適性はゼロだ。
せっかく異世界に転生したのだから、何か魔法を使いたい! そう思って幼いころにいろいろチャレンジしてみたのだが……結果は、言わずもがな。
「いらっしゃい。しあわせ食堂さんがうちにくるなんて、珍しいこともあるもんじゃなぁ」
「ちは、ラグウのじいちゃん。今日は丈夫な紙を探してるんだよ」
店の奥から出てきたのは、店主のラグウ。
小柄でほっそりしていて、腰が少し曲がっている。おしゃれな杖をついていて、そのコレクションは自慢だという。
顎下から伸ばした白の髭はリボンで結ばれていて、それがチャームポイントだ。
カミルの話を聞いたラグウは、紙が置いてある棚まで案内してくれる。そのうちの引き出し三つを開けて、中の紙を見せてくれた。
「うちで取り扱ってる紙は、三種類じゃ」
まず一種類目は、普通の薄い紙。少しだけ黄色味がかってはいるけれど、白い紙として事務用品など一般的に使われているものだ。
「うーん……これだと、油でべとべとになっちゃうから駄目ね」
残念ながら、アリアの魔法適性はゼロだ。
せっかく異世界に転生したのだから、何か魔法を使いたい! そう思って幼いころにいろいろチャレンジしてみたのだが……結果は、言わずもがな。
「いらっしゃい。しあわせ食堂さんがうちにくるなんて、珍しいこともあるもんじゃなぁ」
「ちは、ラグウのじいちゃん。今日は丈夫な紙を探してるんだよ」
店の奥から出てきたのは、店主のラグウ。
小柄でほっそりしていて、腰が少し曲がっている。おしゃれな杖をついていて、そのコレクションは自慢だという。
顎下から伸ばした白の髭はリボンで結ばれていて、それがチャームポイントだ。
カミルの話を聞いたラグウは、紙が置いてある棚まで案内してくれる。そのうちの引き出し三つを開けて、中の紙を見せてくれた。
「うちで取り扱ってる紙は、三種類じゃ」
まず一種類目は、普通の薄い紙。少しだけ黄色味がかってはいるけれど、白い紙として事務用品など一般的に使われているものだ。
「うーん……これだと、油でべとべとになっちゃうから駄目ね」