しあわせ食堂の異世界ご飯5
頑なに自分でミンチをすると言っていたリズだが、リントの申し出にはすんなりと頷いた。
カミルには譲らなかったが、今回はリズなりの考えがあった。リズはアリアの下へ行き、それをこっそり耳元で教えてくれた。
「きっと、リントお兄さまもお料理がしたいんですよ。アリアお姉さまの料理は美味しいから、そうしたい気持ちはとってもよくわかります!」
「えぇ? そうかなぁ……」
(リズちゃんが大変そうだから申し出てくれただけだと思うけどなぁ)
リントはアリアの料理を食べるのが好きだけれど、特に作りたいといった主張をすることはない。
もちろん、食べるだけではなく作るほうにも興味があれば嬉しくはあるが……彼の仕事は激務なので、時間を作るのが大変だろうと思う。
手を洗い終えたリントが包丁を手に取ると、先ほどのトントンとは違い、ダダダダダッと勢いよく肉の塊をミンチにし始めた。
「リントさん、すご……」
「ふわああぁ……」
思わずアリアとリズからは感嘆の声がもれ、カミルは自分の手を見てなんだか悔しそうにしている。
日ごろから体を鍛え、剣を振るっているリントは初めての作業だというのに手際がいい。
カミルには譲らなかったが、今回はリズなりの考えがあった。リズはアリアの下へ行き、それをこっそり耳元で教えてくれた。
「きっと、リントお兄さまもお料理がしたいんですよ。アリアお姉さまの料理は美味しいから、そうしたい気持ちはとってもよくわかります!」
「えぇ? そうかなぁ……」
(リズちゃんが大変そうだから申し出てくれただけだと思うけどなぁ)
リントはアリアの料理を食べるのが好きだけれど、特に作りたいといった主張をすることはない。
もちろん、食べるだけではなく作るほうにも興味があれば嬉しくはあるが……彼の仕事は激務なので、時間を作るのが大変だろうと思う。
手を洗い終えたリントが包丁を手に取ると、先ほどのトントンとは違い、ダダダダダッと勢いよく肉の塊をミンチにし始めた。
「リントさん、すご……」
「ふわああぁ……」
思わずアリアとリズからは感嘆の声がもれ、カミルは自分の手を見てなんだか悔しそうにしている。
日ごろから体を鍛え、剣を振るっているリントは初めての作業だというのに手際がいい。